こねた生地を休ませると、オーブンに入れる前から大きくなります。イーストを使う小麦のパンでは、ガスを生み出す酵母と、そのガスを保持する生地の両方が働いています。食パンの断面を手がかりに、発酵の仕組みを見てみましょう。
酵母が糖を利用してガスを生む
パン酵母はイーストとも呼ばれる微生物です。生地の糖を分解する発酵によって二酸化炭素が生まれます。炭酸ガスという呼び名も同じ気体を指します。粉そのものが増殖して体積が増えるのではなく、生地の中の気泡が育つことが膨らみにつながります。
グルテンの膜が気泡を保つ
小麦粉に水を加えてこねると、たんぱく質がつながり、グルテンの網目が形成されます。伸びる性質のある膜が気体を包むため、生地はガスを保ちながら大きくなれます。ガスの発生だけでなく、それを保持できる生地の状態も、パン作りの大切な条件です。
パンの断面に残る気泡の跡
焼けたパンの穴は、生地にできた気泡に由来します。気泡の大きさや分布は、こね方、発酵、成形などで変わります。発酵を長く続ければ必ずよいわけではなく、進みすぎると気泡がつぶれやすくなる場合もあります。時間だけを延ばすより、使用する材料のレシピに沿って生地の状態を確かめることが大切です。
イーストとベーキングパウダーは別の働き
ベーキングパウダーも膨らませるために使われますが、酵母による発酵ではなく、成分どうしの化学反応でガスを発生させます。今回の説明は、イーストを使う小麦のパンが対象です。すべてのパンや焼き菓子が、同じ材料や仕組みで膨らむわけではありません。
安全上の注意
材料のアレルギー表示を確認し、調理器具と材料の説明に従ってください。生の生地は味見せず、十分に焼いてから食べましょう。オーブンや焼き型に触れる際は、やけどに注意してください。
参考資料
次回のテーマ
次回候補は「消しゴムで鉛筆の字が消える理由」です。次回実行時に7日間の重複を再審査します。
VOICEVOX:四国めたん
