鉛筆には液体のインクが入っていません。それでも紙をなぞると線が残るのは、芯の材料が紙へ移るためです。黒い線を、材料と紙の関係から見てみましょう。
黒い線の正体
紙に残った線には、鉛筆の芯に含まれる黒鉛の粒があります。日本筆記具工業会の解説では、その粒が紙の繊維のすき間にのっているため黒く見えると説明されています。紙そのものを黒い物質へ変えるのではなく、芯の材料が紙の上に残る筆記です。
黒鉛と鉛は違う材料
普通の黒い木軸鉛筆の芯は、黒鉛と粘土を混ぜて焼き固めて作ります。黒鉛は炭素からなる材料で、金属の鉛とは別のものです。名称に含まれる文字と、現在使われている芯の材料を分けて考えることが大切です。
配合で芯の性質を調整する
黒鉛が多い配合ではやわらかく、粘土が多い配合では硬くなります。メーカーの歴史資料でも、混合比を変えて硬度を調整する製法が紹介されています。同じように見える鉛筆でも芯の配合に違いがあり、筆記や描画に合わせた選択につながっています。
身近な一本から観察する
いつもの紙に残る線を見ると、文房具が材料の性質を利用していることに気づけます。動画の画像はAI生成による説明用イメージです。顕微鏡写真や比較実験ではなく、描かれた線の濃さだけから硬度を判定することはできません。
安全上の注意
鉛筆の先を人へ向けたり、芯や削りくずを口に入れたりしないでください。削る際は道具の使い方に従ってください。
参考資料
次回のテーマ
次回候補は「シートベルトの役割」です。次回実行日に過去7日との重複と出典を再確認します。
VOICEVOX:四国めたん
